2011年3月27日日曜日

コラムVol.151 【「頑張って」という応援の言葉の使い分け】

この度の東北地方太平洋沖地震により被災された皆様には
心よりお見舞い申し上げます。

そんな中、日本全国だけでなく、世界中から温かい支援が
届き始めていることは皆様もご存知かと思います。
災害直後は、物理的な支援(救援物資など)が大変助かります。
2週間近く経った今でも救援物資によるサポートを必要と
している方が大勢います。

しかしもう少し経つと(いや、もう既に始まっていると思いますが)
今度は心のケアが必要となってきます。幾ら時間が経過しても、
状況は改善されず、どん底に落ちてしまった気分から立ち直る
こともできず、絶望感を感じるようになるとある専門家は
おっしゃっていました。そんな絶望感を感じている人に対して
同情や「頑張って」という慰めの言葉は全く通用しませんし、
逆効果になる場合だってあります。励ます側からすると、
「頑張って」という想いを伝えたいというのはよくわかりますが、
それは励ます側の想いであり、(完全に)被災者の立場になって
考えられた発言ではありません。

そんな中、九州で今回の被災者に対して救援物資を送るボランティアを
手伝っていた男性がテレビにでていました。おそらく彼は過去に被災を
経験しているのではと思いました。彼は被災者に向かって「頑張って
ください、なんて言いません。できる限り甘えてください。要望が
あれば何でも言ってください」というメッセージを送っていました。
「頑張ってね」といったところで、絶望感を感じている人には「頑張り
ようがない中、何を頑張れをいうの?」と思うのでしょう。
それであれば、できる限り今は救援にすがってほしい、という
心からのメッセージでした。

よく考えるとこの考え方は正しいのですが、私達は普段の生活でも
気軽に「頑張れ」という声援を送ることがあります。しかし、
あまり意識しないで発している私でしたが、時と場合によっては、
「頑張れ」という言葉は逆効果であるということをあらためて
理解しました。心理カウンセリングでは、当然のことなのかも
しれませんが、こうした現場で目の当たりすることでよく理解
することができました。

1日も早く被災者の生活が改善できるように祈っています。

/hero/

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