2011年2月16日水曜日

コラムVol.146 【思考する人間 -2-】

ケンカをして負けたり、白熱した議論で相手に打ち負かされたり、恋人に振られてしまい
ショックを受けてしまったとき、あなたなら、どういう行動を取るのだろうか。
● 自分自身を一番分かってくれる人に会ったり、電話したりして、愚痴をこぼす。
● バーに行って、お酒を飲み、とにかく忘れる。
● いつまでもくよくよしていては仕方がない、と気持ちを新たにする。
● 自分が良かったという風に合理化する。
というような行動は一例ではありますが、多くの方がとられる行動ではないだろうか。
そして、これらの行動をとった結果、あなた自身で「自分は成長した!」と思えただろうか。
自分自身が悪い、弱い、だめだったという部分を認めて、受け入れるのは、それが事実で
あったとしても、本当に難しいことかもしれない。
-----
ライフイベント(生活するうえで起こる出来事)によっては、ストレスの尺度が変わってくるが、
「配偶者の死」を筆頭に、いろいろ並んでいる。この中には離婚や、恋人と別れるなどが入っている。
ストレスが連続的に起こってしまうと、精神状態が停滞し、うつ状態になってしまうケースもある。
それを回避する能力も人間なら備えている。
それが、愚痴を言ったり、お酒を飲んだり、気持ちを切り替えたりするということなのかもしれないが、
一過性のものに過ぎません。精神的に弱い人であれば、この傾向は強いだろう。
なにかショッキングな出来事があった人の性格がまるくなったり、優しくなったとか、そういう話も
聴いたことがあるかもしれない。それが、「乗り越えた」ということを意味するかもしれない。
では、「乗り越える」ためにはどうすればいいのだろうか。
これは先ほども述べたように、自分自身のありのままを認め、受け入れるしかない。
世間体やプライドや見栄の一切を払拭し、本質部分をしっかり見据えること。
そうすると、気分がふわっとやわらぎ、「ああ、そうだったんだな」と思える。
それまでの道のりは苦しいかもしれない。
でも、いったんその感じを覚えてしまうと、次から自分を受け入れるまでの苦しい道のりが前と比べて、苦しくない。
そう言うものでは無かろうか。
それは「痛み」や「苦しみ」を知ることと同じで、自分のも他人のも不思議と分かるようになる。
それが分かって初めて、人間的に成長したと実感されるのではなろうか。
これは、もちろん「考える」ことの出来る人間だからこそ、味わえる感覚でもあり、特権なのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿